お米の吸水時間を利用して、折り紙でおにぎりなどを作る
1.はじめに
量る・研ぐ・浸す・炊く・蒸らす。お米が白メシになるまでにはいくつかの工程が必要です。この一連のムーヴの中で、意外とスキップされがちなのが、『浸す』と『蒸らす』です。
お米を計量カップで量る時は慎重に行い、研ぐ時も優しくお米を削らないように研ぎ、炊飯は炊飯ジャーが最適な時間で炊いてくれます。量る・研ぐ・炊くさえできればお米は炊くことができます。美味しい白メシにもなることでしょう。しかし、『浸す』と『蒸らす』をすることで、美味しい白メシが更に美味しくなるのです。
『浸す』は吸水と呼ばれ、お米を浸水させてしばらく置いておくことです。水に浸すことで粘り気が出て芯までふっくらと炊けます。
『蒸らす』はお米が炊けてから少しの間、炊飯器の蓋を開けずに待つこと。美味しくごはんを炊くコツを伝える言葉“はじめちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな”でいうところの赤子のくだりが蒸らしです。米の中の水分を均等にして旨味を引き出します。
2.仮説
炊飯までにたどり着くための工程の中で、今回私が注目したのは『浸す』におけるその時間です。
“吸水が不十分だと芯が残ったごはんになりますが、しっかり吸水させることで、ふっくらと炊き上がります。浸ける目安は30分から1時間程度。”
待てないかもしれないと思いました。美味しい白メシのことを考えて計量し、研いだらすぐに炊きたくなってしまうのです。蒸らしはだいたい10分から20分程度。その間に食卓の準備をしていれば、あっという間の時間です。それに引き換え吸水の時間は30分から1時間目安。この間ずっと「吸水なんてやめて、さっさと炊飯しちまえよ」という悪魔のそれと、「だめ!お米を美味しく食べたいなら、いまはぐっと我慢よ!」という天使のそれと、「ぐぅ」という胃袋のそれに取り囲まれ、悩み迷い続けなくてはいけないのです。吸水という名の待ち時間が「あれ?もう吸水終わった?」と思うような時間感覚を持って立ち向かうことはできないのでしょうか。以下に学園生としての視座と過去の体験を用いて、仮説を導き出しました。
- ⅰ 手を動かし没頭していると、時間が過ぎるのは早く感じる(芸術学部的視点)
- ⅱ 白メシのことを考えていると、時間が過ぎるのは早く感じる(白メシ学園的視点)
- 仮説: ⅰおよびⅱから「白メシにまつわる何かを創作し没頭することで、吸水時間を待っていられる」
3.結果
「白メシにまつわる何かを創作し没頭することで、吸水時間を待っていられる」という仮説を立証すべく考えた結果、折り紙を使っておにぎり3種類と、茶碗に盛られた白メシを吸水時間の目安である1時間作り続けました。成果物を以下写真にて掲出します。






1時間作り続けておにぎり12個、茶碗に盛られた白メシ2杯ができました。
4.所感
最後に、やってみて感じたことを列挙します。
- 立体的なおにぎりの折り紙は結構難しい。
- 同じ形のおにぎりだけを作り続けることが没頭の秘訣な気がする。
- 細かい作業もあるので、気が抜けない。
- 没入感は相当得られるので、1時間はすぐ経過した。
- 茶碗に盛られた白メシは、普段使っている茶碗よりも小さいから違和感を抱く。
- おにぎりひとつ作るのにはじめは15分くらい掛かるが、徐々に慣れてくる。
- 結構上手にできるもんだなと思った。
(了)
【担当教員より】
カラフルなおにぎりがズラッと並んだ様子には芸術性も感じます。黒い海苔だけではなく白にしているところもいいです。次回は折り紙で、お弁当を作ってみてください。お寿司もいいな。あとカツ丼。
評価:米米米折米米紙
参考・引用文献
折り紙 おにぎり Origami Rice ball折り紙 おにぎりの簡単な作り方~How to make an easy origami rice ball~
食べ物折り紙おにぎり(おむすび)の折り方作り方 創作 Rice ball origami
どうしてお米は、炊(た)く前に水につけておかないといけないのですか。(農林水産省)