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米総合学部

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世界最高の白メシを決めるために必要なこと〜「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」取材レポート

1.はじめに

前月の取材で世界トップクラスの米農家・斉藤寛紀さんに「先入観を捨てていろんな米を食べる大切さ」を説かれた私は、5,000を超える米が出品される世界最大級の米コンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」を訪れることにした。毎回、この大会では最終審査に残ったお米の試食ができるのだ。

毎年、米の産地として知られる市町村で開かれているこの大会。今年の開催地は長野県小諸市。せっかくの機会なのに、試食だけというのはもったいない。大会の舞台裏を見せてもらうことにした。

2.コンクールの概略

まずは、そもそもどんな大会かを説明しよう。米・食味分析鑑定コンクール国際大会では、第1次と第2次審査を機械により行う。整粒度(粒がそろっているかの度合い)、水分やアミロースなどで高い数値を出した40品が「国際総合部門」の最終審査にノミネートされる。例年約5,000品が出品されるので、最終に残るためには100倍を軽く超える倍率をくぐり抜けなければならない。

最後の関門は、米食味鑑定士やバイヤーによる官能審査。毎年10〜15品前後が最高賞となる金賞に選ばれる。日本全国のみならず、中国や台湾といった海外からも出品されるため、「お米のオリンピック」と呼ぶ人も多い。

▲会場入口に出品されたすべての米が並んでいた。
最終審査には残れなかったとはいえ、農家さん自信の新米ばかり。持って帰りたい

3.試食

試食は数量限定。そして、そこには研究熱心な米に携わる人たちが群がる。結果、味を確かめることができたのは5品ほどだった。片隅で一つずつ味わう。

正直に言おう。どれもとびきり美味しすぎて、どうやって甲乙つけるのか私にはわからなかった。もちろん味は違う。しかし、どれも最上級の美味しさだ。審査員は、目(つやなど)、舌(食味)、鼻(香り)のすべてをフル稼働させて審査しているらしい。いつか米食味鑑定士のインタビューもしてみたい。

▲このように官能審査用も試食用も管理番号だけが振られていて、その時点では誰が作った米かわからない。後から調べたところ、この中から3品が金賞に輝いていた

▲多くの人が最高峰の米の味を確かめようと集まる
▲あっという間に40品ともなくなった。

4.大会運営の裏側

大会運営の裏側は想像以上に緻密だった。

コンクールには、真のナンバーワンを決める国際総合部門のほか、都道府県別や大型農業法人部門、栽培別部門といった条件別の審査もある。一番多い部門では50品を「条件をそろえて」、同時に炊かなければならない。これには多くのハードルがあったという。

コンクール終了後、小諸市役所農林課の栗原良さんと福田朱音さんに話を聞いた。

–先ほど、炊飯器がずらりと並ぶ光景を見ました。壮観ですね

栗原さん:なかなか見ない景色ですよね。ただ、最多だと50台で一斉に炊くので、(会場の)小諸市民文化ホールの電力ではキャパが足りなくて大型の発電機を2台用意しました。

–発電機! 表には見えない苦労もたくさんありそうですね。

▲ずらりと並ぶ炊飯器。協賛企業であるタイガーが提供しているそうだ

栗原さん:とは言っても、2年前からプレ大会を開催したり講習会を何度も開いたりして準備を重ねてきましたから、スムーズに運営できました。炊飯の担当だけでも約50人のスタッフがいるんですが、すべての米の条件をそろえるという大前提をきちんと守ることができました。

–50品の条件をそろえるって、大変じゃないんですか?

福田さん:本当に細かいところで大変でした。たとえば…。
米の研ぎ方って、皆さん自分のやり方が確立されてるんですね。でも、この大会は「ボールの中にザルを入れて、水を溜めてから研ぐ」というふうに手順が決まっているんです。ところがつい自分のやり方で、水が溜まる前に研ぎ始めてしまったりとか。

–細かい…。

▲一斉にご飯をよそう炊飯班のスタッフ。
公平を保つため細心の注意を払ってマニュアルに合わせる

福田さん:量に差が出るのもNGですし、透明なフタにちょっとでも米が触れてしまうのも早く冷めてしまうのでNG。だから盛り付けも細心の注意が必要です。炊き上がってから5分蒸らし、釜の中が90度になるまで待つ、といった、おいしく食べるための基準がたくさんありました。

–今回、18品の金賞のうち、地元・長野県が3品、そのなかで小諸市が1品でした。やっぱり、地元が有利だったり…?

栗原さん:ないですね。私たち運営側も審査員も、それぞれの米の「管理番号」しか知らされていないんです。だから地元の米を有利にするのは無理です。

▲これから審査員のもとへ運ばれる世界最高峰の白メシたち

–よけいなことを言いました。ごめんなさい…。

栗原さん:いえいえ。そういう公平・公正な大会で、小諸市のお米が金賞に入ったのはとてもうれしいです。これからもどんどん小諸市もおいしいお米の産地としてPRしていきたいですね。

5.まとめ

「米・食味分析鑑定コンクール」は、白メシ学園の生徒にとって、実に学びの多い大会だった。ここでは紹介しきれないが、会場には米栽培に関わる商品・製品がたくさん展示され、1日いてもまったく飽きなかった。

来年は日本トップクラスのブランド米を育てている魚沼(新潟県津南町)が会場とのこと。次回までには、もう少し味の違いを見極めるスキルを身につけたい。

(了)

担当教員より/

私も、あの大会の試食では「美味い!」しか言ったことがないので、自信をなくすことはありません。

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