ごはんっぽい題目の文学作品の検索とあらすじの想像
1.はじめに
私は文学作品の中で描かれている食事のシーンがとにかく好きである。視覚に頼らずシズル感満載の飲食風景を読者に伝えることがどれだけ大変なことか。私も小説家を希望する身として、いずれは読者の胃袋を掴むようなおいしい文学、白メシ文学を確立したいと思っている。
2.検索
その第一歩として、今回のレポートでは無料で多くの名作小説が読めるサイト『青空文庫』で、「白メシ」「御飯」「ライス」などなど白いごはんと関係のあるキーワードで検索をして、文学における白メシの扱われ方などを調査することとした。検索の結果、どうやらいくつかの作品で白メシが描かれているようだ。以下に検索でヒットした作品を記載する。
白メシに対する愛情と文学を愛する姿勢を駆使して、まだ読んではいないが読んでいないなりに本の帯に書いてあるようなPR文も考えてみたので何かの参考にしてもらえれば幸いである。
3.作品紹介
芥川龍之介 芋粥
芋ミーツお粥を描いた文豪の白メシ文学。お粥と書くときは「かゆ」と読むのに、芋になるととたんに「がゆ」となるあたりも摩訶不思議な白メシワンダーランド。芋が入ったお粥がまさかあんなことに…!?
岡本かの子 鮨
シャリの上に魚介類を乗せたアノ料理が…!?芸術家・岡本太郎の母である岡本かの子先生が描いたメシ系文学。白メシの他にも呼び方がたくさんあることに気付かされる作品。
北大路魯山人 お米の話
「アノ白い粒のことでも話そうか……」美食家・北大路魯山人先生がついに口を開く…!?それとも開かない!?グルメの、グルメによる、グルメのためのグルグル文学。
林芙美子 朝御飯
ベストセラー『放浪記』でおなじみの林芙美子先生が、昼御飯、夜御飯としのぎを削る、三大御飯のひとつ、アノ御飯について筆を走らせる…!?
永井荷風 にぎり飯
作品もさることながら、その自由奔放な生き様も印象的な永井荷風先生がしたためたにぎり飯がカギとなる小説。にぎるのか!?にぎられるのか!?それとも…!?
4.所感
芋粥、鮨、お米、朝御飯、にぎり飯。読んではいないがすでに胃袋を掴まれている感覚である。読むだけでおいしい気分を味わえるおいしい文学を、私はとことん追求したいと改めて心に決めた。(了)
【担当教員より】
読んでいないのにあらすじを書くというその想像力というか妄想力の大盛り具合は評価に値します。どの作品もお米や御飯がどのように描かれ、物語と絡み合うのかこの夏の課題図書として読んでみるのもいいかもしれません。時代小説でも食事のシーンは多く描かれていて、どれも美味しそうです。お腹が鳴りました。
評価:米米グー米米本米
参考・引用文献
芥川龍之介.“芋粥”. 現代日本文学大系43芥川龍之介集.青空文庫. 2013年4月28日.
岡本かの子.“鮨”.岡本かの子全集5.青空文庫.2013年4月26日.
北大路魯山人.“お米の話”.魯山人の美食手帖.青空文庫.2009年12月3日.